Houstonのガソリンは本当に$1台だった?AriyaとCX-9でEVコストまで計算

最近のガソリン価格を見ていて、ふと「2026年の年初、Houstonって$2/gal前後じゃなかった? 場所によっては$1台も見た気がする」と思い出しました。記憶だけでは曖昧なので過去データを確認。すると、Houstonの月平均は本当に$2.3〜2.4台で、特定スタンドでは$1.90〜1.94/galも確認できました。そこからもう一歩進めて、我が家の2023 Nissan Ariya(実測2.8 mi/kWh)と2020 Mazda CX-9 AWD(実測16.1 mpg)を使い、「ガソリンが安いTexasでもEVは本当に得なのか?」まで計算してみました。

2023 Nissan Ariyaの2.8 mi/kWh実測表示と2020 Mazda CX-9 AWDの16.1 mpg実測表示
カタログ値ではなく、送迎待ちで停車時間が多い我が家の日常条件。Ariyaは2.8 mi/kWh、CX-9 AWDは16.1 mpgでした。

先に結論

Houstonのガソリン記憶かなり正しかった。 EIA月平均は2026年1月$2.312/gal、2月$2.420/gal。GasBuddy系の報道では2025年12月22日に$1.90、2026年1月6日に$1.94のスタンド価格が確認できた。[1][5][6]
実車Ariya:2.8 mi/kWh、CX-9 AWD:16.1 mpg。CX-9のEPA combined 23 mpgに対する実測比をCX-5 AWD(EPA combined 26 mpg)へ掛け、比較用に18.2 mpgモデルも作成。[8][9]
家充電2026年9月22日に固定した価格スナップショットでは、Ariyaの走行エネルギー代はTXで$6.37/100mi。CX-5補正は$21.77、CX-9実測は$24.61。
急速充電Houstonの350 kW級$0.64/kWh例ではAriyaが約$24.06/100miとなり、CX-9実測とほぼ同じ。一方、$0.35/kWhの60 kW例なら約$13.16。[14][15]
Texas EV追加登録料BEVは年$200追加。12,000 mi/年・家充電の今回モデルでは、それを引いてもCX-5補正比で約$1,648/年、CX-9実測比で約$1,988/年の差。[16]
一番大きかった発見「EVだから安い」より「家で安く充電できるEVが強い」。 公共DC急速だけだと、Texasではガソリン車との差が消える条件もある。

1. 「Houstonのガソリン、$2くらいだった気がする」を確認

まずは記憶の答え合わせです。EIAのHouston Regular gasoline月平均を見ると、2025年12月は$2.383/gal、2026年1月は$2.312、2月は$2.420。平均価格だけでも本当に$2台前半でした。その後は3月$3.224、4月$3.689、5月$3.830へ急上昇。6月$3.550、7月$3.462、8月$3.518と少し落ち着いたあと、9月は$3.760/galまで再び上がりました。[1]

比較用にNew York州とCalifornia州のEIA月平均も並べると、Houstonは期間を通じて低めです。ただしHoustonは都市圏、NY/CAは州平均なので完全な同一地理単位の比較ではありません。「Houstonが生活実感としてどれだけ安かったか」をざっくり掴むための比較として使っています。[2][3]

2025年12月から2026年9月までのHouston、New York州、California州のレギュラーガソリン月平均とHoustonで報道された特定日の安値
3本線はEIA月平均。ダイヤの点はGasBuddyデータを引用したHouston Chronicle記事で確認できた特定日のHouston安値で、月間最安系列ではありません。[4][5][6][7]

2. 「$1台を見た気がする」も本当だった

月平均とは別に、Houston ChronicleがGasBuddyデータを引用した記事を追うと、2025年12月2日の最安$2.09、12月22日の最安$1.90、2026年1月6日のMarket At Beamerでcash $1.94が確認できます。[4][5][6]

ここは混同しない

$1.90や$1.94はHouston全体の平均ではありません。 その日に確認された特定スタンドの安値です。Houstonの2026年1月月平均はEIAで$2.312/galでした。[1]

逆に3月31日のGasBuddy調査ではHouston平均が約$3.55、確認された最安でも$3.19。わずか数か月で景色が大きく変わりました。[7]

3. では、ガソリンが安いTexasでもEVは得なのか

ここからが今回の本題です。我が家には2023 Nissan Ariyaと2020 Mazda CX-9 AWDがあります。しかも使用条件は、学校の送迎待ちなどで停車時間が長め。カタログ燃費より実生活でどうなるかを見たかったので、車載表示の長期実測を基準にしました。

Nissan AriyaのDrive Computerに表示された平均2.8 miles per kWh
Ariya:2.8 mi/kWh。約5,539 miの表示区間。
Mazda CX-9 AWDのトリップコンピューターに表示された平均16.1 mpg
CX-9 AWD:16.1 mpg。Trip Aは約1,078 mi。

※AriyaとCX-9の車載平均は、同じ期間・同じ走行距離を揃えたA/B比較ではありません。それぞれの車載表示区間に残っていた実生活データを使っています。

Mazda公式の2020 CX-9 AWDはEPA 20 city / 26 highwayで、combinedは23 mpg。実測16.1 mpgはその約70%です。[8] ただ、CX-9はAriyaより大きめなので、そのまま比較するとガソリン車に不利。そこで2020 CX-5 AWD non-turboのEPA 24 city / 30 highway(combined 26 mpg)に同じ70%係数を掛け、18.2 mpgを「同じ使い方なら?」という補正モデルにしました。[9]

実測と推定を分ける

CX-9実測/EPA = 16.1 ÷ 23 ≈ 0.70
CX-5補正モデル = 26 × 0.70 ≈ 18.2 mpg

CX-5の18.2 mpgは実測ではありません。車格差を少し公平にするための推定モデルです。

4. TX・NY・CA:$/100 milesに揃えて比較

価格はXシリーズの計算を始めた2026年9月22日のスナップショットに固定しました。ガソリンはAAAで記録したRegularの州平均、住宅電気はその時点で最新公表だったEIA 2026年6月の州平均を使用しています。[12][13]

Ariyaの車載2.8 mi/kWhは「車が走行に使った側」の値です。家のメーターから購入する電力量には充電損失があるため、Nissan固有の公称効率が見つからなかった部分はEPA MOVESの参考モデル(charger 94% × battery 95% = wall-to-output 89.3%)を使いました。これはAriya純正EVSEのメーカー公称値ではありません。[11]

Texas、New York、CaliforniaでAriya家充電、CX-5補正モデル、CX-9実測の100 milesあたりエネルギーコストを比較した棒グラフ
9/22 study snapshot。車両購入費、保険、減価償却などは含めず、走行エネルギー代だけを比較。
州Ariya 家充電CX-5補正 18.2 mpgCX-9実測 16.1 mpg
Texas$6.37$21.77$24.61
New York$11.79$24.68$27.90
California$13.89$34.00$38.43

Californiaは電気も高いのに、ガソリンの高さがさらに大きく、今回の条件では家充電EVの差がむしろ大きくなりました。一方Texasは「ガソリンが比較的安い」というEVに不利な条件でも、家充電だとかなり差が残ります。

5. ガソリンと電気、どこまで動けば逆転する?

ガソリン価格だけを上下させると、「電気料金は固定なの?」という問題が残ります。そこで両方を動かせるように、CX-5補正18.2 mpgとの損益分岐線を作りました。

ガソリン価格と住宅電気料金を軸にCX-5補正モデルとAriyaの損益分岐を示し、右下をEV有利、左上をICE有利として薄いハッチングで示したグラフ
線より右下=EV有利、左上=ICE有利。Houston Jan 2026は$1.94/galに当時のTexas住宅電気15.69¢/kWhを組み合わせた点。

Houstonの$1.94/galという極端に安いスタンド価格でも、Texasの2026年1月住宅電気15.69¢/kWhを当てると、Ariya家充電は約$6.27/100mi、CX-5補正は$10.66、CX-9実測は$12.05。[6] つまり、今回の使用条件では「ガソリンが$1台ならICEが必ず安い」にはなりませんでした。

※$1.94は都市平均ではなく特定スタンドの安値を使ったストレステストです。実際の家庭電気料金は契約プラン、時間帯、固定費の扱いなどでも変わります。

6. ところが350 kW急速充電にすると、差が消えた

家充電の結果だけ見るとEV圧勝に見えます。でも公共のDC急速充電に条件を変えると話が大きく変わりました。

今回の9/22スナップショットで使ったHoustonのElectrify America Walmart 5959の掲載料金は、最大350 kW・$0.64/kWhでした。[14] Ariya実測2.8 mi/kWhに、DC側の損失5%を感度分析として仮定すると約$24.06/100mi。Houston側のガソリン比較は、9/22に最も近いEIA週次観測の2026年9月21日 $3.863/galを使うと、CX-9実測16.1 mpgは約$23.99/100mi、CX-5補正18.2 mpgは約$21.23/100mi。高めのDC急速充電を使うAriyaとCX-9は、ほぼ同じになりました。[18]

HoustonでAriyaの家充電、60 kW急速充電例、350 kW Electrify America例とCX-5、CX-9の100 milesあたりコストを比較した棒グラフ
同じAriyaでも、家充電$6.37/100miから高めのDCFC例$24.06/100miまで大きく変わる。

さらに2023 AriyaのDC急速充電上限は130 kW級なので、350 kW器につないだからといって350 kWで受電できるわけではありません。Nissanの仕様でもDC fast charging最大130 kWが示されています。[10]

7. じゃあ安い急速充電器を探せば取り返せる?

答えは「かなり取り返せる場合がある」。ただし重要なのは50/60 kWだから安い、350 kWだから高いという単純な関係ではありません。今回の9/22前後の調査では、Houstonに60 kW $0.35/kWhのEVBOLT例がある一方、350〜400 kW級でも$0.35〜0.39/kWhのサイトが確認できました。ネットワーク、場所、時間帯、会員条件が大きく効きます。[15]

Houston、New York City、Californiaの代表的な低価格DC急速充電例と350 kW Electrify America例のコストを比較し、Californiaの50 kWはoff-peakからpeakまで点線で示したグラフ
代表的な個別サイト例で、地域平均ではありません。CaliforniaのBurbank 50 kWは$0.30/kWh off-peak〜$0.49/kWh peakを点線で表示。[15]
  • Houston:60 kW $0.35/kWh → Ariya約$13.16/100mi。EA 350 kW $0.64 → 約$24.06。
  • New York City:ChargePoint $0.50/kWh級の例 → 約$18.80。Flushing EA 350 kW $0.68 → 約$25.56。
  • California:Burbank 50 kWはoff-peak $0.30 → 約$11.28、peak $0.49 → 約$18.42。Los Angeles EA 350 kW $0.72 → 約$27.07。

安い低出力DCFCには時間コストがあります。100 mi分に相当する購入電力量を約37.6 kWhとした理論値では、50 kWで約45分、60 kWで約38分、130 kWで約17分。実際はSOC、電池温度、充電カーブ、設備側の制御でさらに変わります。

8. TexasはEVだけ年+$200。それでも得?

Texasでは10,000 lb以下の完全EVに、通常登録料とは別に年$200のElectric Vehicle Feeがかかります。新車で2年登録なら$400です。[16]

それを12,000 mi/年の前提で今回のTexas家充電モデルから差し引いても、CX-5補正比で約$1,648/年、CX-9実測比で約$1,988/年の走行エネルギー代差が残りました。

登録料込みのざっくり損益分岐

12,000 mi/年でTexasの+$200を100 miあたりに割り戻すと約$1.67。今回条件では、CX-5補正モデルと家充電Ariyaが同額になるガソリン価格はおよそ$1.46/gal、CX-9実測比では約$1.29/galです。

9. メンテナンス費はEV有利。ただし今回は年間節約額に入れない

DOEの一般的なlight-duty vehicleモデルでは、scheduled maintenanceはBEV 6.1¢/mile、ICEV 10.1¢/mileと推定されています。BEVにはエンジンオイル、タイミングベルト、スパークプラグなどのICE特有部品がなく、回生ブレーキでブレーキ系の負担も抑えられます。[17]

ただしこれはAriyaとCX-9そのものの実測費用ではありません。またEVのタイヤ摩耗は車重、タイヤ、トルク、運転条件などで変わるため、我が家の交換周期データが足りない現時点では定量化しませんでした。なので上の年間$1,648 / $1,988にはメンテ差を加算していません。

結論:EVのコストメリットの本体は「家充電」だった

今回のスタートは単純な記憶確認でした。「Houstonのガソリン、ほんの数か月前まで$2くらいじゃなかった?」。調べてみると本当にそうで、特定スタンドなら$1.90〜1.94/galまで確認できました。

でも、その極端に安いガソリンを使っても、我が家の実測効率とTexasの住宅電気を組み合わせると家充電Ariyaはまだ安い。一方、高めの350 kW DC急速充電に切り替えるとCX-9とほぼ同じところまで上がる。ここが一番面白い結果でした。

  • Houstonの2026年初頭は、平均でも本当に$2台前半だった。
  • $1.90 / $1.94のスタンド価格も実在した。ただし都市平均ではない。
  • 家充電AriyaはTX・NY・CAの今回スナップショットでガソリン車モデルより低コスト。
  • 公共DCFCは場所・ネットワーク・時間帯で差が大きく、TexasではEV優位が消える条件もある。
  • TexasのEV年+$200を入れても、今回の12,000 mi/年モデルでは家充電EVが有利だった。
  • メンテナンスはEVに追い風になり得るが、今回は車種固有実測ではないので年間差には足していない。

「EVは得か?」の答えは、EVそのものよりも、どこで・いくらで充電できるかに大きく左右される。 少なくとも我が家の条件では、家充電できることが一番大きなメリットでした。

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計算条件と限界

  • Ariya 2.8 mi/kWh、CX-9 16.1 mpgは自車の車載表示。
  • CX-5 18.2 mpgはCX-9の実測/EPA比を掛けた推定値。
  • 家充電89.3%はEPA MOVESの一般モデルで、Nissan純正EVSE固有の公称値ではない。
  • DCFCの5%損失は感度分析上の仮定。
  • 公共充電価格は個別サイトの掲載料金。実際の料金は会員、時間帯、場所、更新時期で変わる。
  • 車両購入価格、税額控除、保険、減価償却、ローン金利は比較していない。
  • $/100miは走行エネルギー代の比較であり、完全なTotal Cost of Ownershipではない。

参考文献

  1. U.S. Energy Information Administration (EIA), Houston Regular All Formulations Retail Gasoline Prices.
  2. EIA, New York Regular All Formulations Retail Gasoline Prices.
  3. EIA, California Regular All Formulations Retail Gasoline Prices.
  4. Houston Chronicle, Houston gas prices dip to $2.41 as holidays approach (Dec. 2, 2025; Houston low $2.09).
  5. Houston Chronicle, Gas prices drop for fourth week (Dec. 22, 2025; Houston low $1.90).
  6. Houston Chronicle, GasBuddy forecasts 2026 gas prices (Jan. 6, 2026; Market At Beamer $1.94 cash).
  7. Houston Chronicle, Houston gas prices jump by more than $1 (Mar. 31, 2026; average ~$3.55, low $3.19).
  8. Mazda USA, 2020 CX-9 Features & Specifications (AWD EPA 20 city / 26 highway mpg).
  9. Mazda USA, 2020 CX-5 Features & Specifications (AWD non-turbo EPA 24 city / 30 highway mpg).
  10. Nissan USA, 2023 Nissan Ariya Brochure (7.2 kW onboard charger; DC fast charge up to 130 kW).
  11. U.S. EPA, Emission Adjustments for Onroad Vehicles in MOVES4 (new-EV battery efficiency 95%, charging efficiency 94%, combined wall-to-output 89.3%).
  12. EIA, Electric Power Monthly — Back Issues; August 2026 release, Table 5.6.A (June 2026 state residential electricity prices).
  13. AAA Gas Prices, state price pages used for the frozen Sept. 22, 2026 study snapshot: Texas, New York, California. Daily values change; the numbers in this article are the values recorded during the study.
  14. DCFC Tracker, Electrify America Walmart 5959, Houston (up to 350 kW; $0.64/kWh listing).
  15. DCFC Tracker station/network listings used for representative public-charging examples: Texas, New York, Flushing EA 350 kW, Burbank 50 kW, Los Angeles EA 350 kW. Rates may change.
  16. Texas Department of Motor Vehicles, Register Your Vehicle — Electric Vehicles ($200 annual EV fee; $400 with two-year new-vehicle registration).
  17. U.S. Department of Energy, Battery-Electric Vehicles Have Lower Scheduled Maintenance Costs (BEV 6.1¢/mile vs ICEV 10.1¢/mile general model).
  18. EIA, Houston Gasoline and Diesel Retail Prices — Weekly (Regular gasoline: $3.863/gal on Sept. 21, 2026).

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