BeerDroidでGerman Weissbierを仕込んでみた

BrewArt BeerDroidでGerman Weissbierを仕込む2回目のバッチ。 洗浄・仕込みから発酵の経時変化、BeerDroidの発酵終了判定(EOF)、ケギングまでを追い、 飲み頃になったあとには前回の17℃バッチと今回の19℃バッチを実際に飲み比べました。

BrewArt BeerDroidとBrewFloのセットアップ
今回使ったBrewArt BeerDroid。奥にはBrewFlo。

今回の記録

バッチGerman Weissbier(2回目)
醸造機BrewArt BeerDroid
仕込み量10L
発酵温度Propagateは21℃。Fermentは17℃で開始し、途中で19℃へ変更
発酵終了判定前回は約7日、今回は約6日でEOF → Kegフェーズへ
ケギング2本のケグへ移送後、プライマーを後入れ
飲み頃ケギング後、約2週間の二次発酵・熟成。BrewArtアプリが飲み頃を通知
実飲比較前回の17℃運用は少しコク不足。今回の17→19℃運用はコクが増してバナナ香も強め。炭酸感はどちらもやや弱め

この記事で使った機材・消耗品

BrewArt BeerDroid
10Lの仕込みに対応し、温度制御や発酵フェーズをBrewArtアプリから確認できる自動醸造機。 今回のGerman Weissbierも、このBeerDroidで仕込みからEOF判定まで進めました。

BrewArt BeerDroidを公式サイトで見る →

German Weissbier BrewPrint
今回実際に使ったBeerDroid向けの材料セット。必要な材料が仕込み用にまとめられていて、 BeerDroidのプログラムと組み合わせてGerman Weissbierを仕込めます。

German Weissbier BrewPrintを公式サイトで見る →

BrewArt BrewFlo(今回使ったのはV1)
熟成を終えたBrewArtの5Lケグをセットし、冷やしながらタップからグラスへ注げるビールディスペンサー。 今回の実飲比較でも、BrewFlo V1から注いで飲み比べました。

BrewFlo V1の公式リソースを見る →
現行BrewFloを公式サイトで見る →

Five Star Star San Sanitizer
ケグ本体、キャップ、接続部品など、ビールに触れる部品のサニタイズに使用しました。BeerDroid本体の洗浄・消毒とは分けて、ケギング周りで使っています。

Star SanをAmazonで見る →

German Weissbierの材料とBeerDroid

今回使ったのは、BrewArtのGerman Weissbier用BrewPrint。 中には、ビールのベースになるDME(Dry Malt Extract/乾燥麦芽エキス)を中心に、 イーストや発酵を助けるエンハンサーなど、必要な材料が小分けで入っています。 BeerDroidは温度管理を自動でやってくれて、アプリではPropagate、Ferment、Keg、Storeと今どの段階にいるかも確認できます。 とはいえ、洗浄や材料投入、最後のケギングは自分でやるので、「全部お任せ」というより面倒な温度管理を任せられる相棒という感じです。

German Weissbier BrewPrintの材料一式
German Weissbier BrewPrintの材料一式。
BrewArt German Weissbierのパッケージ

最初は洗浄・消毒から

まずは洗浄と消毒から。 ここを雑にすると全部台無しになりかねないので、地味だけどかなり大事な工程です。 BrewArt Cleanseを入れたら、まず約1時間そのまま待機。 そのあとタップから少量の液を流してタップ内部までCleanseを行き渡らせ、さらにもう1時間待ちます。 なので、この工程だけでも意外と時間がかかります。 仕込み自体は手軽でも、洗浄・消毒まで含めると「思い立ってすぐ開始」という感じではありません。

BrewArt Cleanseの箱
洗浄に使用したBrewArt Cleanse。
Cleanseを投入しているところ。
洗浄後のBeerDroid内部
洗浄・消毒後の内部。この状態から仕込み開始。

10Lまで給水して材料を投入

BeerDroidの目盛りを見ながら水を10Lまで入れて、DMEなどのBrewPrint材料、イースト、エンハンサーを順番に投入。 入れ終わった直後は、液面が白い粉でほぼ埋まる状態になりました。 初めて見ると「これ、このままで大丈夫?」となる見た目ですが、無理にかき混ぜず、このままBeerDroidに任せます。

BeerDroidの10L目盛りまで水を入れた状態
BeerDroidの10Lラインを目安に給水。
イースト投入後、エンハンサーを追加。
German Weissbierの材料を投入した直後の液面
材料投入直後。粉末が液面を覆っている。
材料投入後に蓋を閉めたBeerDroid
蓋を閉めたら、あとはBeerDroidの温度制御に任せる。
蓋を閉めた直後、前面の窓から見た麦汁。材料が液中へなじんでいく様子を確認できる。

PropagateからFermentへ

仕込み直後はPropagateフェーズからスタート。 今回は目標21℃で進み、その後Fermentへ切り替わりました。 このあたりを勝手に進めてくれるのがBeerDroidの楽なところです。

German WeissbierのPropagateフェーズを表示したBrewArtアプリ
Propagateフェーズ。アプリで現在温度・目標温度・室温を確認できる。

Fermentの設定温度を17℃から19℃へ変更

Propagateが終わると、Fermentは17℃設定でスタート。 ただ、今回は途中で19℃まで上げてみました。 ヴァイスらしい発酵由来の香りがどう変わるか、ついでに発酵の進み方にも違いが出るかを見てみたかったからです。 室温は25〜26℃くらいでしたが、BeerDroidが冷却しながら設定温度の近くをキープしてくれました。

前回7日 → 今回6日

1回目のGerman WeissbierはEOFまで約7日。 それに対して、途中で19℃へ上げた今回は約6日でEOFまで進みました。 ちょうど1日短縮です。もちろん各1回なので「19℃にしたから」とまではまだ言えません。 でも、これは次のバッチでも見ていきたい面白い差でした。

Fermentフェーズで目標温度を19度に設定したBrewArtアプリ
Fermentフェーズ。目標温度を19℃へ。

発酵の変化を1日ごとに追ってみた

せっかく前面に窓があるので、1日後から5日後まで泡の動きをほぼ同じ条件で撮ってみました。 見比べるとけっこう変化があります。 ただ、「泡が減った=発酵終了」ではなかったので、アプリのフェーズや温度と一緒に見るのが今回のポイントです。

1日後:細かい泡が目立つ

発酵の動きがはっきり見え始めた時期。アプリでは目標19℃に対して実測20.0℃で、冷却後に温度がゆっくり戻る波形が見えました。

1日後。前面窓では細かい泡の動きがはっきり確認できる。
German Weissbier発酵1日後のアプリ温度画面
1日後の温度グラフ。19℃設定に対して実測20.0℃。

2日後:発酵が活発な状態が続く

泡の動きはまだ活発。実測18.5℃と目標19℃の近くで推移しており、BeerDroidが冷却を入れながら温度を戻している様子が分かります。

2日後。まだ継続的に泡が上がり、発酵の勢いを感じる。
German Weissbier発酵2日後のアプリ温度画面
2日後。実測18.5℃、目標19℃。

3日後:見た目の勢いが少し落ち着く

泡の勢いが少し弱まり、温度グラフも1〜2日目に比べて変化がやや緩やかに見えてきました。実測19.3℃で、ほぼ設定温度付近です。

3日後。1〜2日目に比べ、目に見える泡の勢いが少し落ち着いてきた。
German Weissbier発酵3日後のアプリ温度画面
3日後。実測19.3℃。温度の動きも少し穏やかに。

4日後:泡はかなり落ち着いたが、まだFerment

見た目の発泡はかなり減少。アプリの7時間グラフも大きく上下するというより緩やかな推移になっていましたが、フェーズはまだFermentのままです。

4日後。泡は明らかに少なくなったが、BeerDroidはまだ発酵継続と判断。
German Weissbier発酵4日後のアプリ画面
約4日経過してもアプリはFermentフェーズ。

5日後:見た目は静かでもEOFはまだ

実測19.0℃で目標値と一致し、温度グラフもかなりフラット。泡の動きも静かになりました。それでもこの時点ではEOFはまだ出ていません。

5日後。見た目はかなり静かになったが、まだEOF前。
German Weissbier発酵5日後のクラウゼンの様子
5日後。液面付近には発酵の痕跡が残っている。
German Weissbier発酵5日後のBrewArtアプリ画面

1〜5日目を並べると、泡が弱くなるのと一緒に、温度グラフの上昇も後半ほど緩やかになっています。 グラフで温度がストンと下がっている部分はBeerDroidの冷却が入ったところですが、 それ以外のゆるやかな上昇区間では冷却は入っていません。 今回は外気温も大きく変わっていなかったので、前半ほど温度が上がりやすく、後半ほど上昇が鈍くなったのは、 発酵による発熱が徐々に弱まり、発酵自体が落ち着いてきたサインと考えるのが自然そうです。 もちろんBeerDroid内部の温度制御や測定位置の影響はありますが、泡の減少とも同じ方向に変化しているので、 泡・温度・アプリのフェーズをセットで追うと発酵の推移がかなり見やすくなりました。

泡が減っても、まだ発酵終了とは限らない

4〜5日目には「もう終わったんじゃない?」と思うくらい泡が静かになりました。 でもBeerDroidはまだFermentを継続。EOFも出ません。 最終的に発酵終了の通知が来たのは、仕込み開始から約6日後でした。

今回かなり分かりやすかったのが、「泡が少ない=発酵終了」ではないということ。 窓を眺めるのは楽しいし参考にもなりますが、終了判断はアプリの進行や、必要なら比重なども合わせて見た方がよさそうです。

EOF後にKegフェーズへ移行したBrewArtアプリ
EOF後はZone 3のKegフェーズへ。
BrewArtアプリの発酵完了とケギング準備完了の通知
発酵完了の通知。その後、ケギング温度に達するとReady to Kegの通知が来る。

プライマーを入れて2本のケグへ

発酵が終わったら、いよいよケギング。 その前にケグ本体、キャップ、接続部品などをもう一度洗浄し、Star Sanでサニタイズします。 準備ができたら、まずBeerDroidからビールをケグへ移し、そのあとでプライマーを投入します。 この糖分を使ってケグの中で二次発酵させ、炭酸をつけながら仕上げていく仕組みです。

なので、ケグに入ったら即乾杯!ではありません。 ここから約2週間、二次発酵と熟成を待ってようやく飲み頃です。

ケギング前に洗浄消毒するケグと部品
ケグと部品を分解して洗浄・消毒。ここではまだプライマーは入れず、まずビールを移す準備をする。
BeerDroidからケグへビールを移送。プライマーはこのあと後入れする。
German Weissbierを入れ終えた2本のBrewArtケグ
ケギング完了。今回も2本に分けた。
BrewArtアプリのGerman Weissbierバッチ完了通知
BrewArt側でもバッチ完了。2本のケグがShelfに登録され、アプリが飲み頃になったタイミングを知らせてくれる。
アプリが「飲み頃」を知らせてくれる

ケギングが終わると、2本のケグがBrewArtアプリのShelfに登録されます。 ケギング時点ではここから約2週間待ち。実際に飲み頃になるとアプリが通知してくれました。 「今日で何日目だっけ?」を毎回数えなくていいのは地味に便利です。

BrewFloから注いで、いよいよ実飲

約2週間の二次発酵・熟成が終わったケグは、普段使っているBrewFlo V1へ。 BrewFloはBrewArtの5Lケグをセットして冷やしながら、タップからグラスへ注げるディスペンサーです。 今回もここからGerman Weissbierを注いで、2つのバッチを飲み比べました。

German Weissbierの実飲で使ったBrewArt BrewFlo V1
実際に使っているBrewFlo V1。熟成を終えた5Lケグをセットして、ここからグラスへ注ぐ。
BrewFlo V1からGerman Weissbierを注ぐ様子。泡立ちも含めて実飲前の状態を確認。

飲み頃になったので、17℃ vs 19℃を実飲比較

ケギングから約2週間。今回は、前回の17℃運用バッチと、今回の17℃で開始して途中から19℃へ変更したバッチを並べて飲み比べました。 同じGerman Weissbierでも、この2つの運用条件で味の印象にどんな差が出たかを確認します。 以下では読みやすさのため「19℃バッチ」と表記しますが、実際にはFermentを17℃で開始し、途中から19℃へ変更しています。

17℃で発酵させたGerman Weissbierの実飲時のグラス
前回の17℃バッチ。飲み比べでは少しコク不足に感じた。
19℃で発酵させたGerman Weissbierの実飲時のグラス
今回の19℃バッチ。コクが増し、バナナ香も強く感じた。

17℃と19℃の比較結果

項目17℃運用17→19℃運用
EOFまで約7日約6日
コク少し物足りない増した
バナナ香感じるより強い
炭酸感やや弱めやや弱め

17℃では少しコクが足りず、全体としてもう一歩ほしい印象でした。 19℃ではその物足りなさがかなり改善し、コクが増して、ヴァイスらしいバナナ香もより強く感じました。 一方で、炭酸感はどちらもやや弱め。少なくとも今回の2バッチでは、炭酸については発酵温度を上げても大きな改善は見られませんでした。

今回の実飲では19℃の方が好み

前回の17℃運用はEOFまで約7日、今回の17→19℃運用は約6日で、実飲でも今回のバッチの方がコクとバナナ香を強く感じました。 ただし比較は各条件1バッチずつで、ブラインドテストでもありません。 そのため「2℃上げたことがすべての差の原因」とはまだ断定せず、次のバッチでも再現するか見ていきます。

2回目と実飲比較で分かったこと

  • BrewPrintにはDME、イースト、エンハンサーなどが含まれ、順番にBeerDroidへ投入して仕込む。
  • BeerDroidはPropagateとFermentで温度条件を切り替え、Fermentの目標温度も途中で変更できる。
  • 前回の17℃運用はEOFまで約7日、今回の17→19℃運用は約6日だった。
  • 1〜5日目を比較すると、泡が弱まるにつれて温度グラフの変化も後半ほど穏やかに見えた。
  • 泡の見た目が静かになってもEOFはまだ出ず、泡だけで発酵終了を判断するのは早い。
  • ケギング後にプライマーを後入れし、約2週間の二次発酵・熟成を経て飲み頃になる。
  • 実飲では前回の17℃運用より、今回の17→19℃運用の方がコクとバナナ香を強く感じた。
  • 炭酸感は17℃・19℃ともにやや弱めで、今回の比較では共通の課題として残った。
  • BrewArtアプリはケグをShelfで管理し、飲み頃になったタイミングも通知してくれる。
次は「19℃の再現性」と炭酸感

今回は19℃の方が好みに近い結果になりました。 次は同じ傾向がもう一度出るかを確認しつつ、どちらのバッチでもやや弱かった炭酸感も改善できるか見ていきます。 PorterやLagerでは、同じように泡・温度・発酵期間・EOFまでの時間を比較していく予定です。

まとめ

今回は2回目のGerman Weissbierを、材料投入から17℃→19℃への温度変更、1〜5日目の発酵、 EOF、ケギング、約2週間の熟成、そして17℃バッチとの実飲比較まで追いました。 BeerDroidに温度管理を任せつつ、窓とアプリを見比べると、発酵の勢いが落ち着いていく過程もかなり分かりやすく見えました。

前回の17℃運用はEOFまで約7日、今回の17→19℃運用は約6日。 飲み比べでは、17℃は少しコク不足に感じたのに対し、19℃はコクが増してバナナ香も強く、個人的にはこちらの方が好みでした。 ただし炭酸感はどちらもやや弱め。各条件1バッチずつなので温度差だけを原因とは断定せず、今後も同じ条件で再現するかを確かめていきます。

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