芝の水やり、何分やればいい?スプリンクラーの散水量を実測してみた
「週1inch」と言われても、うちのスプリンクラーを何分回せばいいのか分からない。 そこでZone 3を実測し、ローターとスプレーの違い、Cycle and Soak、Houstonの真夏での調整まで整理してみました。
今回の結論
| Zone 2 | ローター式。50分×2=100分/回。散水量はまだ未実測 |
|---|---|
| Zone 3 | スプレー式。20分で約11mm(0.43inch)を実測 |
| Zone 3散水速度 | 約33mm/h(1.30inch/h) |
| 1inch換算 | 計算上約46分。実運用は25分×2=50分 |
| 散水方法 | Cycle and Soakで2サイクルに分割 |
| 最初の運用 | 約1inch × 週1回 |
| 真夏の運用 | 0.75inch × 週2回=週約1.5inchを目安 |
「週1inch」をスタート地点にした理由
芝の水やりでは「週1inchくらい」という数字をよく見かけます。 ただ、Texas A&M AgriLifeがSt. Augustineについて強調しているのは、固定量を機械的に守ることより、 根を深く健康に育てるために、深く・頻度少なめに散水することです。 暖かい時期でも通常は週1〜2回程度を目安にして、雨や乾燥サインに合わせて調整する考え方です。[1]
なので、うちではまず約1inch/週をスタート地点にして、実際の芝の反応を見ながら変えることにしました。 「1inchが絶対」ではなく、最初に置いた管理上の基準です。
うちには2種類のスプリンクラーがある
散水システムはゾーンによって種類が違います。
- Zone 2:ローター式 — 水の筋が回転しながら遠くまで飛ぶタイプ
- Zone 3:スプレー式 — 細かい水を扇状に撒くタイプ
同じ「スプリンクラー」でも仕組みが違うので、同じ時間動かせば同じ量の水が入るとは限りません。 まず今回は、手元の浅いトレーで測りやすかったZone 3から実測してみました。
Zone 3を実際に測ってみる
測り方はかなり単純。 芝の上に平たいトレーを置いて、Zone 3のスプレー式スプリンクラーを20分動かしました。
結果は、約11mm。 inchにすると約0.43inchです。
11mm ÷ 20分 × 60分 = 約33mm/h = 約1.30inch/h
1inch撒くには約46分
1inchは25.4mm。 20分で11mmだったので、
25.4 ÷ 11 × 20 ≒ 46分
つまりZone 3では、計算上は約46分で1inch。 実際の運用では少し分かりやすくして、合計50分にしました。
50分なら、11mm ÷ 20分 × 50分 = 約27.5mm = 約1.08inch。 ほぼ1inch狙いです。
ローターはスプレーの約2倍の時間に設定
Zone 3を実測すると、20分で約11mm。 1inchに必要な時間は計算上約46分だったので、実際の設定は分かりやすく合計50分にしました。
一方、Zone 2はローター式。 ローターとスプレーでは、そもそも単位時間あたりに撒く水の量が違います。
製品情報を確認すると、一般的な住宅用ローターは固定スプレーより散水速度が低く、 同じ水深を入れるにはローターの方が長く動かす必要があることが分かりました。
今回参考にした製品データでも、Rain Birdの住宅用3500 Series Rotorは0.37〜0.83inch/h[2]、 Hunterの固定スプレーノズルでは条件によって1.4inch/hを超える値が並んでいます。[3] なので、約2倍の運転時間になることも十分ありそうです。
そこで、Zone 3を合計50分としたのに対して、Zone 2はその約2倍の合計100分に設定しました。
Zone 3 スプレー:実測をもとに約50分
Zone 2 ローター:製品情報を参考に、その約2倍の100分
ここは「Zone 2を測って100分で1inchと確認した」という意味ではなく、 ローターとスプレーの散水速度の違いから決めた設定値です。
Zone 2も測れば一番きれいなんだけど、実はまだ未測定
ローターは水の入り方がゆっくりなので、測るならそこそこ長く回す必要があります。 しかも数mmの水深を読むには、浅くて平たい容器の方が圧倒的に測りやすい。
今回ちょうどいい容器が手元になかったので、Zone 2はまだ実測していません。 ここはそのうちちゃんと測って、製品情報を参考に決めた「約2倍」という設定が実測でも合っているのか、 答え合わせしたいところです。
なお、今回は1枚のトレーで「だいたい何mm入るか」を見る簡易測定。 Texas A&Mが紹介する本格的なcatch-can testでは、複数の容器を庭に置いて平均値と散水の均一性も確認します。[1]
50分を25分+25分に分けた理由 ― Cycle and Soak
Zone 3は合計50分、Zone 2は合計100分。 でも、これをそれぞれ一気に撒いているわけではありません。
Houstonのうちの土はかなり粘土質。 一度に長く散水すると、土に染み込む前に表面を流れてしまう可能性があります。
そこで使っているのがCycle and Soak。
撒く → 少し待つ → また撒く。
Texas A&M AgriLifeも、重い土では2〜3回の短いサイクルに分けることで浸透を助け、 無駄な流出を減らせるとしています。[1][4]
1回目:Zone 2 ローター 50分 → Zone 3 スプレー 25分
2回目:Zone 2 ローター 50分 → Zone 3 スプレー 25分
1日の合計では、Zone 2が100分、Zone 3が50分。 Zone 3は1回目と2回目の間にZone 2の50分が入るので、しっかり浸透待ちの時間ができます。
なぜ毎日少しずつではなく、一度にしっかり水を入れる?
最初は「暑いなら毎日少しずつ水をあげた方が良さそう」とも思っていました。
でもTexas A&Mは、定着したSt. Augustineは深く・頻度少なめに水を入れることで、 深く健康な根を育てることを勧めています。 暖かい時期でも通常は週1〜2回程度で、雨が十分なら追加散水が不要なこともあります。[1]
なので、約1inch/週は「絶対に守る数字」というより、うちで最初に使った管理上の基準。 そこから芝の状態を見て調整する方が実際的だと思っています。
Houstonの真夏は、1inch/週では乾燥サインが出た
最初は「Zone 2:50分 → Zone 3:25分 → Zone 2:50分 → Zone 3:25分」を週1回。 約1inchを狙う設定でしばらく様子を見ていました。
ところがHoustonの真夏に雨がほとんど降らない状態が続くと、芝に乾燥のサインが出るようになりました。 特に気になったのが、踏んだあとに葉がすぐ戻らない状態。
Texas A&Mも、葉のしおれや青灰色っぽい色、踏み跡が戻りにくいことなどを乾燥ストレスの目安として挙げています。[1][5]
そこで現在は、0.75inch × 週2回 = 合計約1.5inch/週を目安に変更。
「週1inch」という数字を固定ルールにするのではなく、気温、雨、芝の状態を見ながら変えることにしました。
実際に測ってみて分かったこと
今回一番よかったのは、「何分回すか」を感覚で決めなくてよくなったこと。
- Zone 3:20分 → 約11mm(0.43inch)
- Zone 3散水速度:約33mm/h(1.30inch/h)
- 約46分 → 計算上1inch
- 実運用:25分×2=50分
- 50分 → 約27.5mm(1.08inch)相当
そしてローターとスプレーでは、そもそも散水速度が違う。[2][3] だから全部のZoneを同じ時間にする必要もありません。
「何分」ではなく「何inch入ったか」
ネットで芝の水やりを調べると、「20分」「30分」といった情報も出てきます。 でも、ローターなのかスプレーなのか、水圧、ノズル、配置がどうなっているのかで結果は変わります。
だから今のところ僕は、 「何分撒いたか」ではなく、「実際に何inch入ったか」で考える のが一番分かりやすいと思っています。
Research. Try. Fail. Learn. Enjoy.
こういう小さい実測でも、一度数字にすると、その後の設定がかなり楽になります。 そして次はZone 2のローターも本当に想定どおりなのか測ってみたい。 100分設定が実測でも約1inchになるのか、答え合わせです。
参考文献
- Segars CA, Bowling B. St. Augustinegrass Lawn Management. Texas A&M AgriLife Extension, EHT-144, 2020. PDF
- Rain Bird Corporation. 3500 Series Rotors — Technical Specifications and Nozzle Performance. Technical data
- Hunter Industries. Pro Fixed Nozzles — Performance Data. Technical data
- Texas A&M AgriLife Extension Service. Preventing Runoff with Cycle and Soak Irrigation. 2022. Publication page
- Chalmers DR, McAfee JA, Havlak R. Maintaining St. Augustinegrass Lawns. Texas A&M AgriLife Extension, L-5340, 2006. PDF
※散水量や必要頻度は芝種、土壌、気温、日照、雨量、自治体の散水ルールなどで変わります。
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Webでは測った数字や設定をあとから整理してまとめています。 一方Xでは、「芝が乾いてきた」「散水量を変えてみる」「これでHoustonの真夏を乗り切れるか?」みたいな途中経過もそのまま更新しています。